運河の音楽感想19

出演者の小田寛一朗さんの感想です。「動き箱」の件とは何か‥?


なかなかああいう大規模なイベント(特に野外の)は自分でやろうと思ってもできないので、参加させてもらって、感謝です。たくさんのひととの出会いもありました。
 とくに幸弘さんの考えは、自分のとけっこう近いような気がしています。昨日はなしていて面白かったのは、60年代に寺山修司さんたちが観客を挑発するべく「外に出て」いろいろやっていたけれど、現在には現在の「外への出かた(観客や環境との関わり方」があるんじゃないか、という問題意識は、とても近いものを感じました。
 あとは、「動き箱」の件、たいへん申し訳ないです。。警備の警察の方が、何人かの観客から、変なものがある、、との訴えを受けたらしく。。あれは、たしかに置き方がものすごく微妙なところで、、たとえば、箱がピンクやイエローなどの綺麗な色に塗ってあれば、対岸の風船と相まって、不審には見えなかったでしょうし、それでなくても、ひとつじゃなく、たくさんあれば、また見え方が違ったと思います。
 箱が動いているのがなんか面白い、という見え方より、この場所・状況(スロープ下の空き地)にある箱が動いているのは不審だ、という見え方の方が勝ってしまったのは、「置き方」の問題ですね。
 場所・状況の良い面を引き出す、というよりも、逆に場所・状況の悪い(ネガティブな)面を引き出してしまったようです。ああいう種類の空き地のネガティブイメージというか。だからこそ、フェンスで囲ってあるし、中の植木も綺麗にしてあるんですよね。
 個々のひとの「どう見るか」という視点の設定が、「状況・文脈」に左右される、というのが明確にみえて、そういう意味で、勉強になるというか、面白いとは思いましたが、地域の人たち、観客の人たち、と一緒になってつくっていく、という趣旨とは、ずれてしまって申し訳なく思っています。(もちろん、よくもわるくも変化があるのは良い、という見方もありますが)不安にさせてしまった方にも申し訳ないです。
 というような、箱事件も含めて、いろんな物事が興味深く面白かったです。野外だと美術館とかギャラリーみたいに場所や文脈の囲い込みがないだけにほんといろんなことが起きるし、いろんな人がやってくるので、それだけでも面白いですよねー。自分の準備やら片付けやらで、他の出演者の方々の演奏、パフォーマンスをちゃんと観れなかったのが残念です。関さんと輪太鼓とブルーグラスサークルをちょっとだけと、のんと君の展示は観れました。「運河を聴く」にも参加したかったんですけどねー。チャリンコのブレーキをかけるときのキキーッという音で(笑)。
音遊びの会、音楽の広場、もちゃんと見たかったですね。。
 妹のはなしによると、音楽の広場で、「阪神大震災のときに戻る!地震のあった日に戻る!」と言ったちびっこがいたらしく、それもけっこう大事件というか、そういった鋭くも有意義な発想(決して悪ふざけではないと思います)をどういうふうに受け入れていくか、というのも面白さだなと思いました。
 たいへん長くなってしまいましたが、ほんとに面白かったです。参加させてもらえたことに感謝です。