運河の音楽感想8

神戸大学研究員で、区役所や市役所をはじめとした様々な人を紹介してくれ、当日は撮影スタッフとして参加した竹内利江さんの感想です。


「運河の音楽」―水上からの撮影担当として


私の担当は「運河の音楽」全行程をレガッタボートの上から撮影すること。当初、観客と一緒に乗って撮影する予定だったが、道林さんに警備艇に乗せてもらえないかとお願いしてみた。すぐさま快く受けていただき、さらに私の行きたいところに運んでいくように指示を出してもらえた。条件は、もちろん、常に他のレガッタボートが見えるところで移動すること。警備艇の担当は道林さんの息子さん二人だった。私の撮影環境はとても快適となった。
演奏場所に着くと、必要に応じてモーター音も切ってくれた。そのせいでボートが徐々に流されていき、撮影ポイントがずれていくことにも気づいた。そうか…、ボートに乗って自ら動いているときはわからなかったが、運河は流れていたのである。最初、ちょっと遠慮していた私も、最後には「あっちへ〜!」と叫んでいた。道林兄弟君たちにはとても感謝しています。今回、私の撮影が多少なりとも作品として残るならば、それはお二人のおかげなのです!


もともと水上では音が遠いこともあり、野村さんから撮影はビジュアル重視でと指示を受けていた。自分の感性を信じて絵になる情景を考えて(アーティストになった気分で・・・)撮影した(つもりである)。まぶしいほどに恵まれた光線を浴びながら、水上からの撮影はとても楽しかった。個人的には水面に浮かんだ風船が波に乗って歩いているようでとても気に入った。


ボートに試乗された方々にとって試乗そのものが楽しいことだが、水上から演奏を見たり聴いたりするのもめったに味わえない体験で面白かったのではないかと思う。陸から多くの人に見られている感じもあったし、こちらからは陸の人を見ている感じもあった。演奏を聴いている一般の人々も、私たちにとってはひとつの舞台上のキャストだった。兵庫運河を舞台に新しい関係が生まれた。一生懸命、ボートを漕いでくださった方々、キャナルレガッタ実行委員会のみなさまに感謝しています。